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2015.05.24

理想と現実の間で

主治医から夫の胃瘻を勧められた。
入院前から悪くなっていた嚥下がさらに悪化しているらしい。
本人も飲み込むのがつらいと言っている。

この場合の選択肢は3つ。
 このまま食べられるものだけ食べて、あとは点滴でおぎなう。ただし夫が飲み込めるものはわずかだし、点滴は1日に100~200キロカロリーぐらいしか補えない。それに夫の血管が細くてなかなか入らない。誤嚥を起こして肺炎になりやすい。
 肩と胸の間?のあたりから高カロリーの点滴をする。夫がいやがって針を自分で抜くかもしれない。退院すると開業医の指導のもとに訪問看護師が点滴を変えなければならない。針の交換も頻繁に行うらしい。

 胃瘻をする。交換は数ヶ月置きですむ。自分の口から食べることも可能だし、元通りに食べられるようになれば外すこともできる。ただし自分の口から全然食べられなくなると、本人が生きる気力を失うかもしれない。

 もうひとつ鼻から管を入れるという方法がある。これは倒れた直後に夫がしていたものだが、2週間おきには交換が必要だし、胸からの点滴と同様、夫が自分で引き抜く可能性がある。ということで主治医の選択肢にはなかった。

 わたしはすべては自然のままがいいと思っている。なのでこの考えをそのまま当てはめれば、夫はこのまま食べられるものだけを食べて、あとは点滴でを選択するべきなのだろう。でも夫はまだ55歳だ。意識もしっかりしているし、判断力はともかくこちらの言っていることは100パーセント理解している。聞き取りにくいが自分の意見は言えるし悪態もつける。体は思い通りに動かないかもしれないけど、気にいらなけらば足で蹴飛ばすし、かみつくこともできる。入院する直前までデイサービスに行ったり、外出したりとできる範囲で人生を楽しんでいた。意識もなくベッドで寝たきりならともかく、このまま自然のままにして逝かせるというのはちょっと違うのではないか。

 以前にも自然のままがいいという自分の信条を一端棚上げにしたことがあるし。

 ということで生きていればまだ改善の余地がある。夫の弟やケアマネさん、訪問看護師さんにも相談し、胃瘻することにした。腹水の量が多かったら難しいとは言われているのだけれど……。昨日お腹のCT撮ったから、来週のはじめには主治医が判断するだろう。

 理想は理想、だけど現実を目の前にした場合、どのくらいの人が自分の理想を貫けるだろう。わたしは1パーセントの可能性があるなら、当然ながら現実にそった判断を下すよ。

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