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2015.07.27

お葬式

 葬式の日は長く、忙しい。喪主ってこんなに忙しいの? 悲しみに暮れる未亡人とかできないんですけど? たぶん昔は、隣近所の人が全部してくれて、喪主やら家族やらは死んだ人のそばにずっと座ってたのかもしれない。

 前日、小五の甥っ子から明日は何するの? 長い一日なの? と聞かれた。
 長いよ。おじちゃんのお葬式をして、お骨にしてもらいに行くんだよと言った。
 甥っ子は何を感じ、何を考えてるんだろう。感性とか自我が育ち始める時期だし。中学生くらいになったら聞いてみよう。

 朝、6時になんとなく起きてごそごそ、7時に昨日頼んでおいた朝食が届く。さっさと食べて、7時30分には着付けが始める。しかし、今の時代、喪主でも服でいいんじゃないのか。わたし一人が着物ってなんか理不尽な気がする。まあ、ちゃんとした喪服がなくなっちゃったから、今回に限りまあいいか。

 着替えが終わって外に出ると、夫の故郷からの人たちが来ている。顔はわかるんだけど、申し訳ないことに、いまだに名前と顔が一致せず関係がよくわからない人もいる。本当に写真付きの家系図がほしい! 小学校の時の遊び仲間の人が2人来てくれた。ちょこっとだけお話しする。

 あとは最初の会社の友人夫婦と娘さん一人。奥さんはわたしの友人、わたしたちの結婚式で出会い、結婚したというドラマの登場人物のような二人だ。

 9時30分に葬儀が始まる。40名たらずなので、時間はそれほどかからない。葬儀の後はお棺に花などを入れる。葬儀社の人がカップ麺を作って紙皿に入れてもってきてくれる。袋麺はいいけど、カップ麺はカップが入れられないからとのこと。でもちゃんと作ってくれるってうれしい。ラーメンに東京大阪間の夜行列車(名前が思い出せない……・ごめん)の最終便の切符(あれが最後の夜行列車の旅だったけ)、訪問看護師さんがくれた誕生日カードと病棟の担当看護師さんがくれたメッセージカードも入れた。

 そして喪主の挨拶。葬儀社の人から昨日もらった定型の挨拶文は、ちょっとわたしたちっぽくない感じなので内容は昨晩のうちに自分で考えた。20歳で故郷を出たので、近所の人や親戚関係の人は夫がどんな風に大人になって暮らしていたか知らないだろうと、経歴や趣味などを語る。鬱病になったことやアル中だったことも。あまりにも急な死で、みんな何が起こったかわからないだろうし。

 夫を1時間かけて火葬場につれていく。火葬場は東山のあたり。本当に緑に囲まれた美しいところ。町中なのに、山に入ると別世界になるところが京都の面白いところだ。

 さすがに最後の別れの時はやっぱり泣きそうになった。義妹をみつけて、また泣きつく。本当に彼女が義弟のお嫁さんでよかったと思う。わたしが泣き止むまでずっと抱きしめて声をかけてくれる。わたしはあんな風に、思いやりを持っておしつけがましくなく声をかけられるだろうか。自信ない。

 亡き終わった頃に、夫の従兄弟のお嫁さんも来てくれた。3人で思い出話を。若い頃は男3人が酒を飲んでいるときに、わたしたち3人はおしゃべりをしたものだ。もう十五年くらい前? なつかしい。

 火葬場の1時間というのは、長いと思うけど、たぶん現実と悲しみを受け入れる準備期間なのかもしれない。ただ未だに自分がどう感じてるのか、全然わからないんだけど。

 


 

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