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2015.07.25

通夜の夜

 なんだかんだとしているうちに、夜になって通夜がはじまった。
 
 戒名は地元のお寺にお願いしていたので、お通夜とお葬式だけ葬儀社がさがしてくれたお坊さんがきてくださった。今時そういうのがあるのよね。まあ、ここは一応京都のはずれ。たいがいの宗派のお寺はあるのだろうなぁ。料金も明朗会計。普段おつきあいしているお寺だと、こうはいかないでしょう。都会(といっていいよね。周りは田んぼと畑だけど、大阪と京都の間だし)のこういうところ、大好き!

 なんだかんだと12,3名ほどが通夜の席に。お寿司を15人前頼み、スーパーでお菓子もちょっとだけ買っててよかった。あまったとしても、こういう時はけちけちしない方がいいかも(まあ、わたしが支払うわけじゃないし)。

 いろいろ供え物ももってきてくださって、夫の棺の前に並べてる。その前に、訪問者が首をひねるものが……。カップヌードルシーフード味とサッポロ一番塩ラーメン。これは明日、棺の中に入れようと思ってわたしが買ってきたもの。浸透圧性脳症にかかって飲み込む力が弱っていたため、2年前からほとんどラーメンを食べられなかったから。ごめんなさい。夫用のラーメンを作るのちょこっと手間がかかるので、あまり作ってあげられなかった。
本当は弟がビール(プレミアムモルツ)も買ってきてくれてたんだけど、これはお通夜が始まる前に夫に飲ませた。

 遺体にビールを飲ませる方法は、納棺師さんから教えてもらっていた。紙コップにビールをあけて、何とかの葉っぱを浸し、唇をぬらしてあげる。こっちがポピュラー。で、酒豪の人用と方法というのがある。遺体の唇をちょこっとだけ開けて、紙コップのビールをちょこっとだけそそぐ。あんまし唇をあけると形が崩れてなおらないですよぉって言われてたので、おそるおそる唇をあけて、おそるおそるビールを注いでみる。おお、こぼれない。
 倒れてからずっと飲めなかったもんね。これからは誰に怒られることもなく堂々と飲めるよ。たぶん。

 出席者がみんな帰って、夜通しいるのは5人。義弟はお酒を飲んですでに眠ってる。舅姑も寝る体勢に。葬儀社の人はお線香のことを説明して帰って行った。どうやらあの蚊取り線香型の線香は、7時間ほどで消えるので夜中の3時くらいにつけなおさなきゃならないらしい。

 布団が4人分しかないので、わたしは線香の番のつもりで夫の棺の前で寝ることにして、椅子を3つ並べて横になる。昨日は一人だったから、「一緒に寝て」って言ってる気がしたし。

 でも誰か、途中で変わってくれるのを期待して。いや、そもそも通夜って、みんなで寝ずの番をして線香が消えないようにするのでは? といいながら、蚊取り線香型線香が容器にぶつかって火が消えたり、うとうとしてるうちに燃え尽きたりして、なんだかんだって火がついてない時もあったけど大丈夫だったのだろうか。結局、誰も線香を気にして様子を見に来ることはなかった。一度夫のおばさんが、少しは寝なさいよと言ってくれたくらい。いいんだけど。みんな朝まで線香が持つって思ってたのだろうか。そういえば、本当に起きてる気ゼロだったよねぇ。まあ、舅姑も高齢だからしょうがないっちゃしょうがないけど。弟も寝るのが早いけど、起きるのも早いんだけど、つかれすぎてたのかなぁ。

 風邪の咳がひどくなってたし、なんやかやで疲れてたし、仏教の線香のにおいと煙のアレルギーだしで、頭が痛くなってしで眠れず、ロキソニンを飲んで、いつものように夫に日経新聞を読んであげているうちに、わたしも6時まで眠ってしまったようだ。いや、こんな通夜で本当にいいのか?

 みんなは何事もなかったように起きてきて、線香のことは全く気にもとめない。わたしが一晩起きてたかどうかも誰も気にしない。

 いや、お礼してくれとか、ほめてくれとか、ねぎらいの言葉とかほしいとかそんなんじゃないんだけど。そんなのやって当然なんだけど。でもやっぱり、なんか一言ほしいです。やっぱりほしいです。人間ですから。

 そして葬式の当日となった。
 

 

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